オリジナルソケットを使いやすい検査治具にするには、検査工程の特徴や問題を十分に把握することが大切です。開発部門は電子回路の知識を豊富に持っており、そのため複数の端子の中から測定端子を謝らずに選び出し作業を行うことが可能ですが、実際の検査を担当する担当者はその知識を持たないことが多く、また手順書に従って円滑な作業を行うことが求められるため、本来は試験に使用しない端子が存在すると混乱してしまうと言うことが少なくありません。オリジナルソケットは開発部門が入念な動作確認を行うために用いるものであり、そのために様々な機能が網羅されていることが多いものです。中には特殊な外部回路等を接続することで動作確認を行うことができるようになっているものもあり、これらは実際の検査では使用しないものとなっているケースが少なくありません。

このような機能を検査治具に使用する際に残しておくと、さらに検査担当者が混乱してしまう要因となります。オリジナルソケットと検査治具を両立させるためには、これらの機能を差別化するための仕組みを盛り込むことが重要です。端子の配列を変えてわかりやすくしたり、簡単に検査に不要な端子を取り去ることができるなど、オリジナルソケットの開発段階で様々な工夫をすることが重要となります。オリジナルソケットは入念な動作確認を行うためのものであり、検査治具は検査を効率化することが目的であることを認識することが必要です。